やり甲斐 カケ込み寺

第2章教える立場の喜び【導き】

#2 私についてきてくれるの?

前文の復唱になりますが、舵取りになったあなたは、
今までの経験に基づいてタンタンと行動することです。
部下が出来たからと無理して頑張り過ぎないことです。
無理すると疲れます!
心に少しだけの余裕も無くなってしまいます!
そして部下と向き合う際、必ず部下の目線に合わせていくこと。
目線を合わせるとは、「教える・指導する・指示する」のでなく「導く」ことです。
これであなたは立派な舵取りになれます(笑)
部下から信頼される舵取りになれますよ。

「言っていること解るけど、まだ不安だし自信が持てないよ!」
自信ですか?
何に対して自信を持ちたいですか?
部下に信頼される舵取りになる自信が持ちたいですか?
信頼される舵取りを望むなら、自信は必要ありません。
自信を望めば、必ず焦りが生まれます。
焦りが出れば少しの余裕がなくなります。
余裕がなければ、相手の気持ちに寄り添うことが出来なくなります。
その結果、部下を導くことが難しくなります。

導く=部下に寄り添い引っ張っていく=部下の成長=自身のやり甲斐

これを前文で紹介した方程式で詳しく説明させていただきます。

        仕事を教える(仕事の内容)           ①
        仕事を指示する(仕事の実践)
         ⇓          ⇓
     のみ込みが早い部下   のみ込みが遅い部下      ②
         ⇓          ⇓
      自発性の尊重      反復練習          ③
    ※向かい合い方:問い掛け  ※向かい合い方:粘り強い導き
         ⇓          ⇓
     仕事の幅を広げる    自発性の尊重         ④
   ※業務内容のステップアップ ※向かい合い方:問い掛け
         ⇓          ⇓
       繰り返し      仕事の幅を広げる       ⑤
                    ⇓
                  繰り返し          ⑥

①②の仕事を教える・指示する教育ですが、そもそも書き方を私が間違えていますよね(汗)
経験してきた仕事が部下も出来るように導く!
このような書き方が正しいです。
まず頭の中では、「押す」のでなく「引く」のイメージです。
押すとは一方的に指示をして部下任せにすることです。
そこで抱く部下に対する感情は、「教えたのに!」「指示したのに!」です。
同じことを何度か教えたり、指示したりする過程の中でのみ込みの早い部下と
のみ込みの遅い部下が必ず出てきます。
引くとは「引っ張る」のイメージです!
のみ込みが遅い部下への観察力が非常に大事です。
なぜ迅速に出来ないのか?
なぜ忘れてしまうのか?

あなたなりの答えで大丈夫です。
その答えを部下にアドバイスしてあげてください。
あなたと部下との根比べです。(根比べ:根気の強さ)
これに負ければ、あなたの気持ちはイライラしてきます。
少しの余裕もなくなり、自身のモチベーションも自分で下げてしまいます。
あなたは決して損をしてはいけません。
あなたは舵取りとして光り輝くべきです!
根比べに勝つことは、舵取りとして前に進んでいけることです。
そして部下は一段また一段と階段を登っていきます。

気がつけば部下に寄り添い、諦めずに導いているあなたがいます。
本当に立派なあなたがいます(笑)

③の自発性の尊重・反復練習、
まずのみ込みの早い部下は、積極的に行動に移していきます。
性格は失敗を恐れることより、成し遂げることを優先に行動するタイプだと思います。
その為、上司の指示なしでも自ら仕事を見つけて業務をこなしていきます。
そんな部下を観察していると、必ず先輩の行動を自ら観察して真似をしています。
自発性のある部下との向かい合い方は、「導く」よりか「問い掛ける」の意識が必要だと思います。
なぜなら自分から仕事を取りにいくので「導く」必要がないからです。
気をつけなければいけないのは、問い掛けに対して返ってきた答えを頭後らしに否定することは絶対に避けましょう。
答えが間違っていようが、自発的に考えて動いたことを尊重してあげることが第一です。
次に間違いを正してあげる為のフォローをしてあげます。
この時に大切なのは、なぜそれが正しい答えなのかを根拠を持って伝えてあげることです。

         部下の話を聞く(なぜ?:問い掛け)
                ⇓
         聞いた話を尊重する(決して否定しない)
                ⇓
          考え方の修正(根拠を持って話す)
                ⇓
         最後にもう一度、自発的な動きを尊重

例)
「何でその様にしたの?」
 部下から返答があります。
「なるほど!そんな考え方も出来るね。確かにそのことも大切だと思う。
只、この作業は○○を第一に考えている作業だから、以前話したように
●●でいこう。
でもさっきの考え方、とっても良かったよ(笑)」

次にのみ込みの遅い部下への反復練習です。
使いやすい部下、使いづらい部下とは舵取りの個人的感情から生まれる言葉です。
この個人的感情こそが舵取りを苦しめる最大の敵です。
そしてのみ込みの遅い部下に対して生まれる感情です。
のみ込みの早い部下と比べてしまうと、「何で出来ないの?」・「やる気あるの?」この感情が加速してしまいます

のみ込みが遅い部下は相対的に仕事に野心や欲がないような気がします。
その為、仕事の中で自発性が出てきません。
勘違いをして頂きたくないのは、決して悪口を言っている訳ではありません。
それに仕事に野心や欲がなくても私はおかしいと思いません。
部下なりに仕事を頑張ろうとあなたの部署にいるのですから。

私は運営店舗で舵取りに常々伝えていることがあります。
「覚えの早い部下は、もともと販売職としてのセンスを持っている。
だから自発性もあり自分から仕事を探します。
そして自分自身で成長を望み伸びていきます。
舵取りとしての価値が試されるのは、覚えの遅い部下に対して粘り強く導くことが出来るか!?」

上司は部下を選べますが、部下は上司を選べません!
部下が成長しなければ仕事の生産性は上がってきません!
生産性が上がらなければ、あなた自身が苦労することになります!

のみ込みの遅い部下に対して粘り強く向かい合えるか!?
その方法は非常に簡単なものです(笑)
但し、簡単なことを繰り返しおこなっていくことが非常に難しいのです。
「何で難しいの?」
それは、あなたにとって簡単な事だからです(笑)
あなたにとって簡単な事を部下が中々習得できないからです。
「私なりに一生懸命に向かい合っています!(怒)」
私もそう思います!!
あなたは一生懸命に向かい合っているに違いありません。

問題は、
簡単なことを伝えていくことに一生懸命になってしまうことです(汗)

例えば、母親が箸(ハシ)の使えない子供に使い方を毎日教えていく事と一緒です。
母親にとっては簡単で当たり前なことを、中々覚えてくれないのでイライラしてきます。
でもまた冷静さを取り戻して教えていきます。
ここで重要なことは、母親は子供の姿を観察しながら工夫をしていきます。
そして子供にアドバイスをしていきます。

子供が箸を使えるようになった瞬間、大喜びしてムチャクチャ褒めます(笑)

簡単なことを部下に伝えていく際に大切なことは、少しの余裕をも持って粘り強く向かい合うことです。

             (反復練習)

            部下に業務を伝える
        ※内容を伝えることが「導き」の始まり
                ⇓
             習得出来ない
          ※イライラしないで繰り返し
                ⇓
              部下の観察
           ※習得出来ない原因を探る
                ⇓
              工夫をする
           ※部下にアドバイスする
                 ⇓
             業務の習得=喜び
           ※舵取り・部下ともに達成感

④~⑥は次のステップで①~③を繰り返しおこなっていくことです。
もちろん人の感情を動かすことなので、精神的に大変なことはあります。
でも決して忘れないでください!!
最後まで自分を信じて向かい合ってくれた舵取り(上司)に、部下は信頼を寄せていきます。
部下からの信頼を感じた時、あなたは舵取りとしての喜び・達成感を間違いなく感じる事が出来るはずです。