やり甲斐 カケ込み寺

第2章教える立場の喜び【導き】

#1 私に何が出来るの?

あなたはある日、1店舗の舵取り(店長)を上司から任されました。
もちろん自分を評価してもらったことは非常に嬉しいと思います。
でも不安も抱いているに違いありません。
果たして上手く舵取りとしての仕事が出来るか?
どの様に教えていけばいいのか?
今までは自分のことだけを考えていれば良かったのに、舵取りとなれば
そうは言っていられません。
そんな時、次の3つのことを心に焼き付けてください。

1. 経験を信じる!
2. 背伸びをしない!
※意味:見栄をはらない・強がらない・実力以上のものを出さない
3. 目線を合わせる!
※相手の立場になる・基準を相手に合わせる

1の自身の経験を信じる、

あなたは上司から仕事の成果を評価されて舵取りに抜擢されました。
今まで以上に頑張っていこう!
上手く部下をまとめていこう!
自分が部下の手本にならないと!

きっとムチャクチャ肩に力が入っていますよね(汗)
目を閉じてもらえますか・・・
あなたは今まで以上に何を頑張るのですか?
どの様に上手くまとめるのですか?
部下の手本になる為、新たに何をするのですか?

絶対に頑張らないでください!!
頑張らないことが大切です。
なぜなら、あなたは今まで頑張ってきたから認められたのです。
自分勝手にそれ以上頑張れば、偽りの自分を表に出してしまいます。
自然体で大丈夫です!!
あなたには今まで経験してきた財産があります(笑)
それを上司が勝手に評価して舵取りに抜擢しただけ。
そのぐらいの気持ちでいることで、心に少しだけ余裕を持つことが重要ですよ。

2の背伸びをしないですが、

よく昇格して舵取りになると偉くなったと勘違いをされる方もいると思います。
組織(チーム)は幾つもの歯車で回っています
大きい歯車もあれば、小さい歯車もあります。
どれか一つでも止まってしまえば全てが止まってしまいます。
要はチームとして稼働しなくなります。
舵取りになったあなたは、ひと回り大きな歯車の役割を担うようになっただけです。
大きい歯車が先に回り出さなければ、小さい歯車は動きません。
ここで解ること、舵取りは背伸びして見下ろすのでなく引っ張っていく
あなたは自分の経験してきたスキルを信じて部下を引っ張っていく。
こんな気持ちをもつことが大切です。

余談になりますが、私の会社での立場は社長になります。
社長職を任されているだけで、偉いという認識が一切ありません。
只、常に自分に言い聞かせていることは、会社での責任は一番重い。
歯車に例えるなら一番大きい歯車の役割を担っている。
その様な自覚を持っています。
またスタッフが社長と肩書きで呼ぶことを遠慮させえて頂いています。
なぜなら社内ではスタッフの縁の下の力持ちの役割を担当しているだけだからです。但し、得意先を含めた対外的な肩書きは社長になります。
現場のスタッフには、店舗責任者に対してだけは役職名で呼ぶようにお願いしています。
これはお客様に対して店舗内での責任の所在を明確にする必要があるからです。

3の目線を合わせるですが、

これは2の「背伸びをしない」と連動しています。
舵取りは部下を引っ張っていくものです。

イメージして頂けますか!
1才の言葉をあまり知らない子供に、「こっちにおいで!」と声を掛けて手首を
上下に振っても来ないと思います(笑)
仕方なく迎えに行きますよね。

舵取りになったあなたは、必ず次のような壁にぶつかると思います。

① 教えたことを中々理解してもらえない!
② 指示したことに対しての動きが遅い!
③ 指示しないと何もしない!
④ 同じ事を何度も指導することに疲れる!
⑤ 素直に聞き入れてもらえない!

舵取りの立場からすると本当に辛いことですよね(汗)
でも中には数回教えただけで仕事を習得して自発的に業務をこなしてくれる
部下もいると思います。
そこであなたは次のような感情が芽生えてくると思います。

使いやすい部下!使いづらい部下!
部下に対して好き嫌いの感情が芽生えてくるはずです!

私はこの感情が出てくることを決しておかしいと思いません。
只、苦労をして苦しんでいるあなたが気掛かりになってしまいます。

あなたが、
教えている事!
指示をしている事!

全てが正しいことだと確信しています。
なぜならあなたの経験に基づいたことを教えているからです。

「じゃ~何で思うようにいかないの?」
そのように思ってしまいますよね。
先程の1才の子供の話を思い出してください。
子供の意志に期待しましたが、応えてもらえずに結局迎えに戻りましたよね。
ある意味、部下に対しても一緒のことだと私は思います。

あなたは舵取りとして光り輝いて仕事をしてください。
その為にまずは次の方程式に沿って部下を観察してあげてください。


        仕事を教える(仕事の内容)
        仕事を指示する(仕事の実践)
         ⇓          ⇓
     のみ込みが早い部下   のみ込みが遅い部下
         ⇓          ⇓
      自発性の尊重      反復練習
    ※向かい合い方:問い掛け  ※向かい合い方:粘り強い導き
         ⇓          ⇓
     仕事の幅を広げる    自発性の尊重
   ※業務内容のステップアップ ※向かい合い方:問い掛け
         ⇓          ⇓
       繰り返し      仕事の幅を広げる
                    ⇓
                  繰り返し

※この方程式は次の【こんな私に着いてきてくれるの?】で説明します。

上司は部下を選べます。
但し、部下は上司を選べません。
使いやすい部下、使いづらい部下とは舵取りの個人的感情でしかありません。

あなたが舵取りとして部下に余計なストレスを感じることなく向かい合う為には?
この問い掛けの答えは、「教える気持ち」ではなく「導く気持ち」で向かい合うことが最も重要なことです。
「導く」為には、部下の立場(能力)まで目線を下げて向かい合ってください
部下からも信頼され、円滑に業務が遂行されるはずです。
舵取りであるあなたに返ってくるものは、やり甲斐と達成感です!!