やり甲斐 カケ込み寺

第1章楽しく仕事をしてお給料を頂く!

#5 お客様への心得:応用編

みなさん、
本題に入る前に確認させて頂きたいことがあります。

業務上のオペレーション(一連の流れに沿って業務を行っていく:実践)には
だいぶ慣れましたか!?
まだ上手くいかずに不安や悩みを感じている方もいますよね。
何度も同じことを諸先輩に聞きづらいですよね。
そんな時に心がけるポイントは2つです。
単純明快!!

① 解らないことは更に何度も聞く(勇気)
② 他のスタッフの動きを真似る(観察力)

不安や悩みを抱いてネガティブ思考になったらダメです。
あなたが損をします!
絶対に覚えが悪いとか、早く出来ないとかを悲観しないでください。
あなたが悲観することではありません。
あなたが元気にやり甲斐を持って業務が出来るように導くのが指導に
当たっている舵取り(指導者)の仕事です(笑)

誠実に一生懸命に仕事に向かい合っていれば大丈夫です。
胸を張って2つのポイントを実践してください。
合い言葉は、「勇気と観察力!」

では本題にはいります。
ここから更に仕事を楽しいものにしていきましょう。

応用編でのお客様への心得のポイントは3つです。

1. 「思いやり」を持って行動する
2. 「臨機応変」に対応できる
3. 「一期一会」の気持ちを大切に

この3つのポイントを達成できた先に待っているもの、
それこそが「最高のサービス」であり、「おもてなし」です。

     最高のサービス=おもてなし

1の「思いやり」を持って行動する、

誰に対して思いやりを持つのか?
もちろんお客様に対してです。
「お客様に思いやりを持って行動するって?」
チョット解りづらいですよね(笑)
一言でまとめるなら、

お客様の目線に立って行動する!!

この一言に尽きます。
「お客様の目線って?」
更に解りづらくなりましたか(笑)
以下の3つの表現でどうですか?

●お客様に喜んで頂きたい!
●お客様のお役に立ちたい!
●お客様を助けたい!

要はお客様の要望の助けになりたい。
この感情を持って行動するってことです。

「この感情を仕事中で持つことが出来るの?」
心配になりますよね。
でも大丈夫です!
誰にでも持っている感情ですから。
重要なことは、仕事中に感情を表に出すことが出来るかです。

その感情こそが「思いやり」の感情です!!

少しの間、10年前にタイムスリップしますね。
2011年3月11日、
ご存じのように東北地方太平洋沖地震でおきたマグニチュード9の大地震です。
これに伴い福島第一原子力発電所の事故も起りました。
不幸なことに死者は1万6,000人ほど、行方不明者は2,500人ほどの大惨事でした。

大地震以降にボランティア活動で東北地方に行かれた方は1,000万とも言われています。(発生した年の1年間)
またボランティアに行けなかった方も、様々な寄付を行ってきました。
日本だけでなく世界の人々も思いを寄せていました。

では何故このような行為を人々は行うのか?
ボランティア活動に行かれた方々は、仕事の休みを使い東北地方に足を運ばれたと思います。
仕事で疲れた体で、しかも交通費も宿泊費も自腹です。
また募金を含めて寄付をされた方々も、自分で稼いだものを無償で渡していました。
困っている人、苦しんでいる人、悲しんでいる人に何かをしてあげたい。
こんな感情が心に芽生えていたと思います。
この感情こそが「思いやり」の感情です。
他人に「思いやり」の感情を出すときに、決して見返りなど期待していない
思います。
もちろんお金を頂こうなど思う余地もありません。
では人に尽くした見返りは何なのか?
私は自己満足だと思っています。
震災の遭遇した方々に比べれば、私には少しだけ余裕がある。
少しだけの余裕で、あの方々に思いを寄せたい。
そして自分が出来ることをしたい。
その結果、自分の心の中で芽生える達成感こそが自己満足だと思っています。

あの震災で失った命には、500人の尊い子供達(18才未満の子供)が含まれています。
本当に不謹慎なことかもしれませんが、16,000人もの方が亡くなられた中での
人数です。
あの大地震による揺れの中、津波の中、火災の中、凍るような寒さの中、大人達が必死で子供達の命を第一に守っていたのだと痛感しています。
いま思い出しても涙が止まりません。

あの東日本大震災の時に、日本中または世界中の人に芽生えた感情が「思いやり」
です。
そして思いやりを表に出すことで自己満足を得ることが出来ました。
この自己満足こそが自分自身の心を幸福にする力を持っていると思います。

以上、9年前のお話をさせて頂きました。
皆さんは、この「思いやり」を仕事で出せます。
絶対に出せます!!
なぜなら皆さんが既に持っている感情だからです。

「思いやり」を持って行動する!
この方程式は以下になります。

  困っている人・苦しんでいる人・悲しんでいる人がいる
            ⇓
      「思いやり」の感情が働く
      ※心に少しの余裕があるから
            ⇓
     自分が出来ることを実行する(行動)
            ⇓
         自己満足(達成感)
            ⇓
       自分自身を幸せに出来る

2の「臨機応変」に対応できる。

仕事の中では、
困っている人=お客様

「いったい何に困っているの?」
何だと思いますか?
答えは一つだけではありませんよ。

例)子供服の店
子供に合うサイズが解らない!
上下、可愛いコーディネートをしてもらいたい!
結婚式に着ていく服を探している!
出産祝いで何を送ればいいか解らない!
学校に着ていけるジャケットを探している!
等々・・・・・

お客様が商品を買いに来る動機は様々です。
一人ひとりのお客様に対して臨機応変に対応していくことが大切です。
よって臨機応変に対応できる為の方程式は以下になります。

      お客様の動機の確認
          ⇓
      お客様の役に立ちたい
      お客様に喜んで頂きたい
          ⇓
      お客様の要望に応える動作
          ⇓
      お客様との間に共有が生まれる
      ※共有:心を分かち合う
       他人と同じように感じる
          ⇓
      小さな感動が生まれる
          ⇓
      臨機応変に対応できる

どうしたらお客様の様々な要望に応えられるのか?
お客様の役に立ちたい!
お客様に喜んで頂きたい!
その気持ちが、お客様との共有が生まれます。
そしてお客様に小さな感動をお渡しできます。

3の一期一会の気持ちを大切に、この意味は解りますか?

(一期一会)
あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった
一度きりのものです。
だから、この一瞬を大切に思い、今できる最高のおもてなしをします。
このような気持ちが秘められています。

あなたの今日一日の業務がスタートします。
タイムカードを押して売場に出ていきます。
どうぞスイッチを入れてください。
「一期一会の気持ち」のスイッチです。

「まだ私は知識も少ないし、お客様を満足する対応が出来ないかも!?」
そんなことで、
焦らないでください!
心配しないでください!
緊張しないでください!

あなたの心に、
「今日一日、自分が今持っている力で精一杯にお客様に尽くそう!!」

この気持ちがあれば大丈夫です。
自然とあなたの表情は笑顔になり、気持ちも爽やかになるはずです(笑)
そして必ずお客様に伝わるはずです。

私は現場スタッフに伝えていることがあります。
それは以下の内容になります。
「どんなに商品知識が優れていても、お客様に寄り添う気持ちがなければただの押し売り。
必ずお客様は見抜きます。
下手をすれば不愉快な思いをされます。

今持っている力で十分だから、お客様の為に精一杯に尽くしなさい。
必ずお客様に伝わります。」

自信を持ちなさい!
こんな言葉を聞くことがあります。
私は本来、自信などまったく必要がないと思っています。
お客様に尽くす「おもてなし」には自信は似合いません。
お客様に寄り添う「思いやり」の気持ちがあれば十分です。

第1章では働く為の動機から始まり、楽しく仕事をして給料を頂く。
ここでの「楽しく」の意味は伝わったでしょうか。
仕事における「楽しく」は、皆さんにストレートにやってくるものではありません。
お客様に「思いやり」を持って尽くして、お客様から「ありがとう!」と感謝
される。
それが「やり甲斐」であり「達成感」となり自分に戻ってくる。

そしてお客様から恩返し」として「お給料」を頂く。

皆さんのお仕事内容によっては、直接お客様に接することがない業種も多々あります。
でも常に思い浮かべてください。
あなたの仕事は必ず最終消費者(お客様)の役に立っていることを!
そして常に仕事の中で忘れないでください。
お客様の目線に立って考え行動することを!
必ずあなたの仕事はお客様に喜ばれる方向に進むはずです。

仕事=社会的貢献=人の役に立つ=お金(給与)を頂く