希望の星

#東京ドーム!子供達で満員

現在、実親と生活できない子供達は45,000人ほどいます。
東京ドームの巨人戦で観客席が満員になるほどの人数です。
親の経済的な理由や虐待が大きな原因です。

そして実親と生活が出来ない子供達の大半は、乳児院(0歳~2歳)や児童福祉施設(2歳~18歳)で集団生活をしています。
施設の方は一生懸命に子供達と向き合っていますが、複数の児童のケアを行っている為に、一人ひとりの子供の心のケアが十分に出来ないと思います。
そこで厚生労働省は子供達が家庭で成長できるようにと家庭養護に力を入れています。
最大の目的は、一人ひとりの子供達にたくさんの愛情を注いであげたいからです。

2020年10月23日に映画「朝が来る」が公開されました。
この映画は子供を持つことを一度諦めた夫婦が、「特別養子縁組」で子供を家族に招き入れていく物語です。
この映画には厚生労働省もタイアップして、家庭養護の国民への認知を高めていくために協力しています。

家庭養護には里親制度と養子縁組制度があります。
今回は里親制度について皆さんにお伝えしていきたいと思います。
以前アップした「児童虐待の実情」の中でも紹介させて頂きましたが、養子縁組を目的としない要保護児童を預かって養育するのが里親制度です。
里親制度は自治体から委託されて養護するものになります。

現在、要保護児童の子供が里親のもとで生活している人数は5,500人ほどで、約4,400世帯が受け入れています。
要保護児童45,000人のうち13%弱にとどまっています。

今回は養育里親になるための過程を紹介させて頂きます。
●児童相談所へ養育里親制度の相談
・お住まい近くの児童相談所
・里親支援機関でも相談できます

●児童相談所での面接
・家族の同意を得ているか(祖父母を含む)
・現在の生活環境の確認(共働きか?勤務時間は?)
・家族構成
・住まいの環境(家の広さ等々)
・世帯の収入(負債や資産を含む)
・里子の希望年齢の確認

●養育里親認定前研修を受講
・子供を預り育てるための知識を身に付ける
・4日間の受講になる
 前半の2日間:小児医学・臨床心理学等を学んでいく
 後半の2日間:乳児院・児童養護施設で子供との触れ合い実習をおこなう
・研修は夫婦揃って受ける

●児童相談所からの家庭訪問
・子供が安心・安全に暮らせていけるかの環境確認

●審議会で審査⇒認定

●里親と里子とのマッチングに向けた時間を作る
・乳児院や児童養護施設に行き、子供との交流の機会を持つ
・短期で自宅に泊まって交流を持つ
 ※個人差はありますが、最大で3・4ヶ月の時間を費やす
 ※交流中の費用は定額で補助される

●里親と里子の生活スタート

里親になると国から「里親手当」が支給されます。
支給内容は以下になります。

1人当たり月額8万6,000円の里親手当・一般生活費50,000円

里親制度を普及で一番重要なことは、里親の方へのサポートであることは間違いありません。
国も里親制度を広げていくために、児童相談所や里親支援機関はもちろんですが、地域のみんなでサポートして方向で財団法人「フォスタリングマーク」を立ち上げました。
地域のみんなで里親と子供をサポートしていく体制が整ってきています。

諸外国の里親委託率の実情は以下になります。
※要保護児童が里親のもとで生活をしている割合

オーストラリア・・・・・93.5%
     香港・・・・・79.8%
   アメリカ・・・・・77.0%
   イギリス・・・・・71.7%
    カナダ・・・・・63.6%
   フランス・・・・・54.9%
   イタリア・・・・・49.5%
     韓国・・・・・43.6%
     日本・・・・・12.0%

日本がいかに少ないかが伺うことができます。

非常識で失礼極まりないかもしれませんが、私は子供に愛情を注いで育てたい思う夫婦と、温かい愛情を受けることが出来ない児童がマッチングできることを深く望みます。
この記事がそんな夫婦の選択肢の一つになれば幸いです。