#コウノトリが赤ちゃんを運んでくる!
「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」って言葉を聞いたことがあると思います。
この言葉の由来はヨーロッパのドイツ北部と中部から来たと言われています。
コウノトリが池や泉から赤ちゃんを運んでくるそうです。
春になると飛んでくるコウノトリは、寒い冬のヨーロッパの人々に暖かい幸せを運んできてくれるので、幸せのシンボルである「赤ちゃん」を連れてきてくれると言い伝えられてきました。
「こうのとりのゆりかご」って言葉を聞いたことありますか。
熊本県熊本市に慈恵病院があります。
この病院では赤ちゃんを預かるためのポスト(赤ちゃんポスト)が設置されています。
生活の困窮や未婚などの理由で赤ちゃんを育てることができない方が来られます。
その方は赤ちゃんをポストの中に置いて病院を後にします。
ポスト(窓口)の内側に保育器があり、赤ちゃんが預けられると看護師が駆けつけ赤ちゃんを保護します。
預ける方が直前まで相談できるようにインターホンも設けられています。
赤ちゃんが預けられたとき、病院は警察と児童相談所に通報します。
警察の調べで事件性がなければ児相相談所を通じて乳児院で養護されます。
その後、施設で継続して養護される赤ちゃんもいますが、里親や特別養子縁組で新たな親の元で人生を送る子供もいます。
現在の日本では里親制度の普及率は非常に低いものです。
国外で要保護児童が里親に預けられている比率は、オーストラリア93.5%・
アメリカ77%・フランス54.9%・韓国43.6%です。
日本は現状12%と以上に低いく、里親制度が非常に遅れていることが伺えます。
この実情から「赤ちゃんポスト」に預けられた子供達も乳児院を中心に親の十分な温もりと愛情をうけることが出来ないでいます。
ドイツでは匿名で赤ちゃんを受け入れる「赤ちゃんポスト」が100ヶ所ほど設置されており、匿名での内密出産も受け入れているとのこと。(ドイツでは「ベビークラッペ」と呼んでいます。)
アメリカのインディアナ州では、赤ちゃんを預けられる「ベビーボックス」の設置を許可する法律が2016年に成立しました。
外国では国や治自体を上げて、捨てられる赤ちゃんの命を守る取り組みが行われているのです。
日本では「赤ちゃんポスト」は熊本市の慈恵病院の一ヶ所だけです。
なぜ普及しないのか?
私は国も児童相談所を含めた関係機関の基本的な考え方が、養育する実親の責任を重要視しているからと感じます。
自身が生んだ子供を育てる責任は当たり前のことです。
「赤ちゃんポスト」たるものが存在することで、親が安易に養育を放棄してしまうことが問題と解釈するのでしょう。
もちろん我々市民の間でも賛否が分かれると思います。
国内の児童虐待による年齢別死亡数は、ここ15年間で0歳の赤ちゃんが半数の50%を占めています。(推定400人弱)
更にその40%近くは生まれて直ぐに命を落として、ほとんどの赤ちゃんがトイレなどに遺棄されていました。
この現実を受けて、本当に実親と子供の円滑な関係を築き上げることが優先なのでしょうか?
未婚の若い女性が誤って赤ちゃんを妊娠して、育てる気がないからと殺害して遺棄する現実の解決策は何ですか?
私は「赤ちゃんポスト」の普及に大賛成です。
コロナ禍での児童虐待も更に増加傾向にあります。
先進国の一員である日本国は、児童虐待防止だけに声を上げるのでなく、虐待を受けている子供達に対して真剣に目を向ける必要があると思います。
幼い子供達の尊い命を守り、すべての子供達が深い愛情を受けて成長できる環境つくりが急務です。
それが一早く可能にするのは、国を含めた行政機関の方々です。
どうかその方々に声が届くことをお願いします。
「こうのとりのゆりかご」がある熊本市の慈恵病院の理事長を務める蓮田太二(はすだたいじ)ですが、令和2年10月25日に死去されました。(享年84歳)
蓮田さんは「こうのとりのゆりかご」の創設者です。
ドイツの「ベビークラッペ」の取り組みを視察して、「捨てられた赤ちゃんを黙って見過ごすのは、虐待で亡くなる子供をそのまま見ているのと同じ」と心に誓い、回りの反対を押し切って行動をおこして多くの亡くなる可能性もあった赤ちゃんの命を救いました。
最後に妊娠・出産で悩んでいる方が身近にいましたら、また一人で悩んでいましたら勇気をだして電話をしてください。
「本当に一人で辛かったと思います。」
電話をして心に秘めている思いをさらけ出してください。
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